「何それ?」

「あたしがここに住んでたら…藤紀の居場所がないでしょ?サラだって藤紀がいないと寂しいと思うし…だから出ていこうかなって考えてる」

藤紀が考えてる事なんてわかんない。でも、あたしの考えた通りの理由なら…そうしなきゃいけないって思った。

…気づかなかっただけで
あたしの恋は終わっていたんだ…

あのキスも彼の言葉もきっと夢だった…

そうなりたいって思ってた事が夢になって現れただけのこと。

「出てく!?バカな事考えないでよ!絶対に藤紀は凛を嫌ってなんかいないんだから…!」

サラは怒ってくれたけど、ただの励ましなんだと思った。

「…この想いに未来なんかこないって事くらい自分でわかってるから。ゴメンね…ありがと。部屋を出ていくか行かないかは、藤紀に聞いてみるね?」

「凛…」

「藤紀が出ていってほしいって言えば…そうするしかないから」

「わかった。そうね、藤紀とちゃんと話ししてみて」

サラは納得してくれたみたいだった。

でもね、仮に藤紀が
『居てもいいよ』
って言ってくれても…ここに留まるのはツラいから。
フラれたのに…一緒に住めるほど、あたしは強くないから

多分出ていくと思うよ?