「ゴメンね…藤紀…もう忘れるから、これ以上好きになったりしないから…」

『…』

「だからね…今まで通り友達でいて…普通に話しとかしたいよ…前みたいに戻りたいよ…藤紀…」

…もう『好き』って言わない。

拒絶されるくらいなら前のような関係に戻る方がマシだよ。

どうしたらいいの?
あたし自体がもうムリ?
人として付き合えない?それほどまでに嫌いなの?

この恋心を忘れる努力をするから…顔を見せて…

 藤紀

 藤紀

 藤紀…


それでも好き…

ずっと大好きだよ

でも、この恋を終わりにさせるから…あたしを否定しないで

これ以上一人になりたくないの。
誰もあたしの周りから消えないで

「ゴメンね…」

あたしはドアの前に座り込み泣くしかなかった。

最近泣いてばっかり!

藤紀だって、サラだって煩わしいって思ってるに違いない。

強くなりたい…
そうすれば元に戻れるよね…?

でも忘れ方なんかわかんないよ…
好きになってゴメンね…

やっぱりあたしに恋する資格なんかないんだと思った。


藤紀の部屋のドアは固く閉ざされたまま。

翌日から藤紀は実家に戻ってしまった…