「私の身体も心も何もかもわかっていて愛してくれてると思ってた…でも…もう居ない」

そう言いながら、サラは泣いていた。

「サラ…今日はもう寝な。ベッド使っていいから」

「ありがと…明日出て行くから…ゴメンね」

「彼の事…憎んでる?会えたら…何て言いたい?」

オレは返事の代わりに聞いてみた。
人に…信じてる人に裏切られたら、どう思う?
サラは顔を背け呟いた。

「…'それでも愛してる'って言うよ…」



オレはサラに自分を重ね合わせていた。

いつか…オレの全てを知っても愛してくれるような

そんな運命の女に出会えるんだろうか…?

オレが誰かを愛したりする日がくるのだろうか?

誰に聞いたって
多分答えは『No』だ。

オレにとって一番許されない行為だ…

そんな事を今更ながら考えてる自分がバカらしいけど
何故か考えれば考えるほど、目は冴えていった。

その間…


サラは何度も起き
オレがリビングのソファで横になってるのを確認していた。

何の為に?

それが何度か続いていく内に理由がわかった。

ごく単純で簡単な答えだった…

オレは起きて
眠れずに寝室の床に座り込むサラに向かって言った。