「今ドコに居るの!?まさか危ない事とかしてないだろうね?」

う…鋭いツッコミ。

「うん、してない…」


100%してませんって言えない自分が少し後ろめたい。

「あたし今、友達の所にいるの」

「友達?」

「あのね…いわゆるオカマの人なんだけど」

あたしはサラに出会った事、その他の店の人とも知り合った事…サラの家に居候してる事を先生に教えた。

経緯も住所も言えなかったけれど…

「それなら少し安心したよ。顔色も良さそうだし…思う所があって家を出たのなら仕方ないね。凛ちゃんには必要なのかも…どう?例の夢とか見てる?」


「やっぱり時々見るの…昨日も」

「そっか…いつもと同じ夢?何も変わらない?」

「同じ夢。先生…いつか見なくなったりするのかな?」

「まだわからないね。凛ちゃんの場合は記憶喪失の原因が夢となって現れてるかもしれないからね…」

「そう…」


何か原因があるって事はわかってる。

どうして実の両親がいないの?とか

理由は誰も教えてくれなかった。

それはやっぱり『何か』があったから…


「提案なんだけど。催眠療法とか…試してみる気はあるかい?」