サラの意識が戻ったのは明け方だった。



窓がなかったから
明け方と言っても、よくわからなかったんだけど。

それよりも安心して
嬉しくて

嬉しくて…また泣きっぱなしだった。

初めて神様に感謝した


「どうぞ、少しならお話ししてもいいですよ」

そう言われて
あたし達は慌てて中に入れるように身支度を整え、サラのそばに向かった。

早くサラの顔が見たい

サラに…なんて言おうかなんて考えてる余裕もなく
静かにサラに近寄る。

身体にはコードが何本か繋がれていて…少し怖かった。

サラの息も細く…まだ眠ってるように見えた。

「…サラ」

あたしが声をかけるとゆっくりと目を開けた。

それと同時に
藤紀がサラを抱きしめた。

「わ…何…トーキ…?」

「バカやろ…心配させて…」

サラはそんな藤紀の頭を撫でていた。

「ゴメン…」

「良かった…助かって…良かったな…」

そう言って藤紀が泣いていた事にあたしは気付いた。


それを見て、あたしの胸が『ズキン』って痛くなる。


なんで…?


サラが助かったのが嬉しいのと同時に

こんな胸の痛みに気づくなんて…





複雑で…苦しい恋の始まりだった…