サラの部屋はやっぱり居心地が良かった。

深く深く眠りにつける

あたしはやっぱりサラが大好きで
サラを親友と呼べるのが嬉しく思う。
あたしが勝手に言ってるだけだけど…

いいよね?

この世で信じられる人はたった一人でいい

それは同姓でも異性でも。一人いるだけで奇跡だと思うから

一人いるだけで
あたしには十分だから

いつか、あたしの過去もサラに話せるようにって

願いながら眠りについた。



─それから数日

父親に会う事もなくて、少しずつだけど傷も癒されてきた。

このまま何もおこらなければよかったのに…


あたしは昼間、食材を買う為に買い物へと出た。

家を出てすぐに、あたしは一人の男性に声をかけられた。

「すいません、そのマンションの方ですか?」

「あ、はい」

見ると…60歳代くらいの品の良さそうな男性だった。

「そのマンションに…工藤和也さんって方が住んでませんか?」

「工藤…さんですか?うーん…ごめんなさい。まだ最近住み始めたんで、わかりません」

「工藤…サラと名乗ってるかもしれません」

「え!?サ…サラの事ですか?あたし今一緒に住んでるんです」



『和也』って…本名?