その日、バイトが終わって夜遅くサラの部屋に帰ると

サラが帰っていた。

「あ…サラ…おかえり」

あたしは少し気まずそうに言った。

「凛、おかえり」

「た…ただいま…」

サラのセリフで『居候』の件は藤紀から聞いてるんだと思った。

「あのね、サラ…」

「お風呂入ってきなさいよ。話しは聞いてるから」

「う、ん…。ゴメンね…あたし…どうしても家に帰れないの」

それしか言えなかった。サラには言いたいのに…何にも言えない自分が悲しかった。

こんなあたしを
サラはどう思ってる?

なんでも秘密にして信用なんてないって思われていたら、どうしよう?

そうじゃないのに
伝えられない

内心ビクビクしながらサラの様子を伺っていたら、いつものように優しい笑顔でサラは答えた。

「わかってるわよ。別に帰れなんて言わないから。でも家事とかはやってね?」

「…うん!」

あたしは嬉しくてサラに抱きついた。

「わっ…ちょっと凛、何よ?!」

「大好き!あたしは…ずっとサラの友達でいるね…」

「あぁハイハイ!わかったから風呂に入りなさいってば」

「一緒に入る?」

「バカ!」

そう言ったサラの顔が真っ赤だった。