今ではそう呼ばれる一つの病気…?

あたしは病気だなんて思わないけどな。


「それでママに会って、色々教えられたりして…女になる事を決めたの。でも女になっちゃったら楽になっちゃった」

「そうなんだ…」


サラは最大の秘密を出会ったばかりのあたしに教えてくれていた。

どうしてなの…?

どうしてこんなあたしに?


あたしはつい…涙をこぼしてしまった。

「あっ?!ちょっと泣かないでよ!せっかくのメイクが落ちちゃう」

サラは慌ててあたしが泣くのを止めた。

何だかおかしいの…

でも暖かいサラ

涙は止まらなかった。

涙の訳はわかっていた

この一ヶ月…あたしに近づいてきたのは身体目的の男ばかりだった。

人の温もりが恋しかったの…

多分それは…ずっと前からだった…

「何があったのかは聞かないけど…家に帰れるなら帰りなさいね?親はきっと…心配してるんじゃないかな…」

サラは多分…家出した経験があるから本心で言ってくれてる。

サラになら話せる。
あたしの事。


「…親はわからない」

「え?」

「育ての親はいるんだけど…」

「育ての親?」

「あたしには10歳以前の記憶がないの…」