昼食はチャイムが鳴ってすぐにお弁当を持って裏庭へ走った。



そのおかげか彼女に名前も呼ばれることもなく無事に裏庭へたどり着いた。
やっと休めた気がしてもう一度ため息をついた。



ここの学校には裏庭があって、大きな欅が植えられている。
お昼になるといつもこの欅の木の下に座り一人でお弁当を食べる。



ここはめったに他の生徒も寄ってこないし、騒がしい話し声も聞こえないからとても気に入ってる。



お弁当を食べながら風に揺れる欅の木を見上げる。



にしてもすごいしつこいくらい追いかけられたな。
こんなに半日が過ぎるのが早く感じたのは初めてだし、高校生活でこんなに疲れたのも初めてだ。



あんなに逃げたんだからさすがにもう諦めて追ってこないよね。



それでいい。
もう一人で生きてくって決めたんだから。