「ねね!さっきの話してもいい!?」


「…なんのこと」


「さっきの男の人の話!」



嫌な予感ほど当たるものはない。
さっきの男の人とはきっと玄関で待ち構えていた奴のことだろう。



あいつの顔を思い出すだけでため息が出る。



「…何が聞きたいわけ」


「ズバリ!あの人はみーこの彼氏なの!?」



彼氏。
あいつとそんな関係になるなんて考えたくもない。



いや、考えたことなんて一回もない。



あなたに答える必要なんてない、あなたには関係ないでしょ。



そう言えばいいのに私の口は私の思いとは裏腹に勝手に先走る。



「…あれはただの幼なじみ。
たまにというかしょっちゅう私の生存確認をしにくるの。それだけよ」


「ふぅーん。そうなんだ~?」



なんか怪しんでない?



ほんとのことを言っただけなのになんでそんな怪しむように見てくるのよ。