そして二人分あった野菜炒めは唐木田さんが1.5人分を食べて見事に完食した。
いつもなら一人分でも余って明日のお弁当につめるのに。
ご飯だって明日のお弁当用にと多めに炊いたのに彼女は構わずに全部平らげてしまった。
胃袋がブラックホールなんじゃないかと疑いたくなった。
「はぁーご馳走さまでした!」
唐木田さんは膨らんだお腹を妊婦のように優しく撫でている。
というか食べたなら早く帰ってほしい。
「……早く帰らなくて大丈夫なの?」
「大丈夫!恵兄に夕飯要らないって言ってあるし!」
ニカッと笑いながらそう言われてしまうとこれ以上早く帰れとは言えなかった。
食後の麦茶を飲んで彼女は体制を前のめりにして大きい瞳を更に丸くした。
その表情に嫌な予感しかしない。