「ね!今の人誰!?みーこの彼氏!?」
「う、わ……っ!」
振り返るとそこには奴と一緒に追い出したはずの唐木田さんがニコニコ笑顔で立っていた。
自分だけ家に入って戸を閉めたはずなのにいつの間に。
「なんで入ってきてるの!?というかあなたには関係ないでしょ!」
「えー、水くさいこと言わないで教えてよー!アタシとみーこの仲じゃん!」
「いつ私とあなたがそういう仲になったわけ……!?」
この人と話してるとほんとに疲れる。
疲れたからもう無駄な体力は使わないように話すのをやめて靴を脱いで家にあがった。
「あり?アタシのこと追い出さないの?
すぐに『早く出てって!』って追い出されると思ったのに」
もう何も言わなくなった私を見て丸い目をして何度も瞬きする彼女。
知り合って数日なのに私のことを理解してて腹が立つ。
でも私もなぜか…
「どうせそう言ったってあなたは出ていかないでしょ?」
私も彼女の性格をここ数日で理解してしまっている。
「さっすがみーこ!アタシのことよくわかってらっしゃる!」
唐木田さんは満面の笑顔で私のあとに続いて靴を脱いで家にあがってきた。