「あ、ありがと……ってお金…!」
「これくらい払わせてよ」
「で、でも……っ!」
「……ん?」
「~~っありがとう……」
有無を言わさない旭の目つきに何も言えなくなり、最終的に出てきた言葉がありがとうだった。
旭の顔が見てられなくてかき氷を見つめてひたすら食べた。
食べながら花火を見るための場所取りに向かう。
屋台を回ってるときも旭は私の隣か半歩後ろにいて、それ以上距離があくことはなかった。
そのせいで金魚すくいも射的もうまくいかなかった。
これ以上深く考えないようにかき氷を食べようとすくうと横から手を掴まれた。
その手はかき氷をすくったまま隣の旭の口まで運ばれた。
「は、ちょ、何して……っ!?」
「何ってお味見。ピーチ味おいしいね。
美瑚も食べる?レモン」
「い、いらないわよ……っ!」
旭が最近いつもと違う気がしてほんとに心臓がもたない。