花火が始まるまでは屋台を散策することになった。



とはいってもほとんどが七笑がやりたいことをやっていくだけで、私たちはそれに振り回される。



最初は亜沙美と鈴ちゃんと広瀬くんがいたけど、七笑に振り回されて可哀想だったから3人で楽しんでほしくてさりげなく別行動にした。



金魚すくいに射的にヨーヨーなど。
全部の屋台をやり尽くした気がする。



「あ!かき氷!
みーこ!乃々!きほりん!食べよーよ!」


「…あーしはカルピスにする。希穂は?」


「……イチゴ、がいいな」


「アタシはね!?ブルーハワイにする!」


「あんたには聞いてないし」


「乃々冷たい…!」



なんてやりとりを横で聞き流しながらたくさんある味の中から食べたいものを選ぶ。



レモンもいいけど、グレープもいいな。



悩んでいるとピーチ味に目が止まる。
美味しそうだからこれにしよう。



まだ言い合いをしてる二人をおいて先に買おうと巾着袋から財布を取り出す。



すると隣に旭がやってきた。



「…美瑚は何にするの?」


「え?ピーチにするけど……」


「そ。…すみません。ピーチとレモンください」



私が注文する前に旭は先に私の分まで注文して、アッサリとお金まで出していた。



ピーチとレモンのシロップがかかったかき氷を受けとるとピーチの方を私に差し出した。