"……だってみーこ、1人でいると寂しそうにしてるよね?"



午後は授業中も彼女が言った言葉がずっと頭の中をループしていた。



寂しいだなんて考えたこともなかった。
だって一人でいることが普通だと、当たり前だと思っていたから。



「…寂しいわけ……ないのに…」



否定しようとすれば言葉が詰まる。



なんで……



家に着くと玄関前に茶髪を少し遊ばせて近所のスーパーの袋を持った会いたくない奴がいた。



私の姿を確認すれば彼は顔を綻ばせる。



私はこの顔が嫌いだ。



「美瑚、おかえり」


「いつもこうやって待ち伏せすんのやめてって言ってるよね?」



目を合わせずに奴の横を通り過ぎる。
どんなに冷たくしても付きまとってくるのが奴の気持ち悪いところ。



「今日スーパーで白菜が安かったんだ。
だから一緒に鍋でもどうかなって思ってさ。
美瑚のことだからどうせ栄養のあるもの食べてないでしょ?」



そうやって私のことなんでも知ってるみたいに言わないでよ。



何が……



「他人のあんたに何が分かるの…!?ほっといてよ!」


「っ!美瑚……!」