花火大会当日。



集合場所に向かう途中で閉店して暗くなった店のウィンドウに自分の姿が映る。



白地に青い花があしらわれた浴衣に紺の帯、髪は編み込みをして適当にまとめた。



「…変じゃ……ないよね……?」



家を出る前にも何度も確認してきたのに自分の姿を見る度に気になってしまう。



あれから花火大会に行くと決まってから七笑は勉強に力が入り、台風がくるんじゃないかと思うくらいに別人だった。



そして無事に補習を逃れて夏休みに突入した。



もう一度確認して行こうと思ったら店のウィンドウに見知った姿が映っていた。



「…そんなに確認しなくても似合ってるのに」


「う、うるさ……っ!」



振り返って目に入った姿に言葉がでなかった。



いつもは仕事終わりでスーツの旭が今日は浴衣を着ている。



それがあまりにも様になっていて言葉がでない。



「似合いすぎて言葉がでない?」


「は、はぁ!?自分で何言ってんの……!?」


「はは。冗談だよ。恵司たちが待ってるよ」



旭は笑って七笑たちがいる場所まで案内してくれた。