「…行きたがってるんだからいいでしょ?私と七笑もいるし」


「え、ちょ、何言ってんの!?」


「みーこ!行く気になったの!?やったー!
ね、乃々も行こうよ!みんなで浴衣着てさ!」


「……乃々、ちゃん…!」


「なんであんたはこういうときに声だして甘えるかな~…
……分かったよ!行けばいいんでしょ!行けば!」



乃々葉の許可がおりた途端に希穂ちゃんはその場で飛んで喜んでいる。



何回か飛び終わると私を見て左手を胸の前で手のひらを下にして右手をその上にクロスするようにおいて自分の額のところまで持っていった。



手話をしたことは分かったけどなんて言ったのか分からない。



口も動かしてたけど読唇術なんて能力は私にはない。



どうすればいいか分からないでいると乃々葉が苛立ちながらも教えてくれた。



「"ありがとう"って言ってるのよ。
あー、もう美瑚が余計なこと言うから……っ!
浴衣タンスの奥から探さないといけないじゃない…!」



乃々葉は頭を抱えて怒っているけど、浴衣を探そうとしたりとなんだかんだ行く気みたい。