「りおちゃん、おるか、りおちゃん!」

…冬の嵐のように姿を現したのは、我らが

ミハルちゃん

クラスの男子たちは

「あっ、ボスや」

「親分や!」

「親分、お疲れっす!」

とはやし立てる

彼女は不届きな男子どもを

「おお、我が僕(しもべ)どもよ、息災か?」

と適当にいなし、

ショートカットを振り乱し、私の姿を見つ

けるや否や

「何しとおん(何してるの)りおちゃん、

ニュースや!速報や!朗報や!」

…機関銃のようにまくし立てる

「えっ、何、どうしたの?」

事情ののみ込めない私に対し、さらにたた

みかける

「そやからあ…ん?」