ミハルちゃんはわかってて、関西人特有の

『ボケ』をいれているつもりだろうか

私はたまりかねて『ガタッ』と音を立てて

椅子から立ち上がり

「こおおおっ!いいいっ!」

…お店の店員さんや、お客さんが一斉に私た

ちを見る

「恋とはっ!

つまり、ラ、ラ、ラブやっ!」

もう、顔が爆発しそうなくらい、熱い

「恋?

誰に?」

ミハルちゃんは優秀な執事のように、冷静

に聞く

「みょうほうじ、君に…」

…もう、私、泣きたい……。

ミハルちゃんはしばらく無言

ゆっくりと、椅子から立ち上がり

私を見下ろす

私もミハルちゃんを、見上げる

お店のBGMがフェイドアウトしていく