「ミハルちゃん、あのね、実はね」

「ふんふん」

「あの…わ、わたし、ね…」

「うん、うん?」

「……しちゃった、みたい…」

「はああ、聞こえんなあ?」

「コイ、しちゃった、の」

顔から火炎放射機で火を吹くかのように、

カアアッと熱くなる

…ミハルちゃんは私の真っ赤な顔を、不思議

そうな顔でのぞき込み、

「コイ?」

と尋ねる

私は「うん」と答えるのが精一杯

ミハルちゃんは眉間にシワを寄せ、聞いて

くる

「池の?」

「それは鯉」

彼女は腕組みをして、しばし熟考

そしてパッと明るい表情に戻り

「ああー、あの、花札の…」

「それは、コイコイ」

……ちょっとイライラしてきた