「テツっ!!」

宇宙空間に響き渡る声

尺八の音色が止まる

気がつけば…神社の境内

私は宇宙空間の余韻に浸る暇もなく、あわ

てふためき、周りをキョロキョロと見渡す

半分崩れかけた神社の社務所の横に、女性

が一人、仁王立ちしている

すらりとした長身、ロングヘアー

黒いビジネススーツに身を包み

ん、このヒト、どこかで…?

短めのスカートから、長い足がニョッキリ

伸び、大地を踏みしめている

女性はさらに続ける

「テツっ!何してんのよ、あなた

勝手に出歩いちゃ、ダメじゃない!」

呼ばれた彼は…照れ笑いしながら

「おお、姉者。いかがした?」

と答える

事情ののみ込めない私は、彼と女性を交互

に見比べる