彼はさらに不思議そうに、ミサンガを空に

かざしたり、ブンブン振り回したりしてい



…まさか、このヒト

ミサンガを知らない、とか?

そのうち、食べちゃったりして

食べちゃダメ!

私はたまりかねて

「…あのね、こうやって、腕に巻くの

御守りみたいなものよ」

と、彼の左手首に巻き付けた

我ながら強引だ

彼はなおも不思議そうに、左手首のミサン

ガを眺めていたが、そのうち左手首を私に

示し

「…これはかたじけない

似合うか?」

と言って、ニコッと笑った

このヒト、こんなやさしい表情が…

できるんだ…

……キュン……えっ?