「りおか…拙者もう、どこにも行かぬ

ずっと、一緒ぞ」

ニッコリと、私に微笑みかける

テツ君だ。テツ君が帰ってきてくれた

もう、離さない、離したくない

私はもう一度、彼に抱きつく

彼も、私を抱き締める

強く、強く、強く…

「…もう、あなたたち、見てられないわね

テツ、先に帰ってるわよ?」

両手を挙げ、「やれやれ」という表情を浮

かべ、彼女は去って行く

「テツ君…」

「うむ?」

私は、暮れ行く港町を見ながら、彼に話し

かける

「…また、一緒にお出掛けしようね?

一緒に、お勉強しようね?

いっぱい、いっぱい、一緒にいようね?」

「りおか…会いたかったぞ」