黒いビジネススーツの上から白衣を羽織

り、ロングヘアーを振り乱した長身の女性

「レイコさん!」

「メガネちゃん、久しぶりね?」

意味深な、ミステリアスな笑顔を浮かべる

彼女に、私は

「ど、ど、どういうことですか?

私、何がなんやら、さっぱり…」

「でしょうね。幕末の時代に戻って、死ん

だはずの彼が、また舞い戻って来たんだか

ら…」

彼女は続ける

「…あのね、テツが下関砲台で爆発で吹き飛

ばされたことは、ノッポちゃんから聞いて

いるわね?」

私はぎこちなくうなずく

「…信じられないかも知れないけど、爆発の

衝撃があまりにも強すぎて、時空の歪みを

生じて…

テツは、またこの時代に、飛ばされて来ち

ゃったわけ」