「いい子、いい子…」

私は黒猫を撫でる

首筋を撫でてやると、眼を細め、気持ち良

さそうにごろごろと喉を鳴らし、そのうち

ごろんと地面に寝転がる

真っ黒だな…撫でながら、私は黒猫を見つめ



そういえば…あの人も、私服の時は黒ずくめ

だったっけ…

黒猫を撫でていた私は、ふと手を止める

右目の上に、傷が…

私は雷に撃たれたような衝撃を感じる

まさか…

まさか、まさか、まさか…

テツ君、あなたなの?

時空を超え、姿を変え…

私に、会いに来て、くれたの?

黒猫は、何も答えない

寝転んでいたが、いきなり私の膝にピョン

と飛び乗る