心臓が爆発しそう

汗が滴り落ちる

境内の中を、小走りで廻る

隈無く探す

誰も…誰もいない

立ち止まり、息を整える

足が、ガクガクとしている

はあ、はあ、はあ…

傍らのベンチに座り込む

ハンカチを取りだし、流れ出る汗を拭く

はあ、はあ…

何だったんだろう、あれは…

やっぱり、幻聴だったのかな?

変だな、私って…

あり得ないよね、こんなの

私は寂しく、一人微笑む

…何かいる

ベンチの近くの、樹の根本に

黒い、何かが…こっちを見ている

…猫さんだ