死体も、何もかも、残されなかったらしい

彼は、そこで爆死したのだ

「…レイコさんも『メガネちゃんには黙って

おいてあげて、ショックが強すぎるから』

って気を遣ってくれとったんやけど…」

「そう…なんや…」

抹殺する!記憶を消す!なんて、冷酷なマッ

ドサイエンティストのイメージしか浮かば

ないレイコさんだけど、意外と優しいとこ

ろもあるんだな…

「りおちゃん、ごめんな…アタシ、あんたの

姿見とったら…辛くて…」

「ううん、ミハルちゃん!話してくれてあり

がとう…私…うれしい。ほんまに、ありがと

うね」

「大丈夫か?悲観して、首つったらあかん

で?飛び降りたらあかんで?睡眠薬飲んだら

あかんで?」

いつになく真剣な顔の彼女を見ていると、

私はつい吹き出してしまう