彼と向き合う。二人はしばし無言

「りおかどの…」テツ君が口火を切る

私は…努めて笑顔を作り出す

「ウソ、だよね?」

「?」

「テツ君、帰っちゃうなんて、ウソだよ

ね?」

「……」

「みんなで私を騙してるんでしょ?この前の

サプライズパーティみたいに?レイコさんも

グルになって…ねえ、レイコさん?」

横目でレイコさんを見る。ボロボロカーに

積んだ、何かの機械を一心不乱に操作して

いる

「ウソ、だよね…?」

テツ君は、私を見つめたままだ

私の笑顔は、徐々に引いていく

力が、抜けていく

私は段々腹が立ってくる

「テツ君!ウソやろ?