レイコさんの、ボロボロカーだ

側に、誰かいる

ビジネススーツに白衣を羽織っている女性…

レイコさんだ。そして…

もう一人

武士みたいな着物を着て、腰に刀を二本差

した、長身の男性…

…テツ君?

レイコさんが私に気付き、近寄ってくる

「ああ、メガネちゃん、間に合ったわね

辛いだろうけど、まあそういう、ことだか

ら、ね」

何か、申し訳なさそうに、私に話しかける

「あと、15分位しか無い

…せめて、別れを惜しみなさい」

やがて遅れてきたミハルちゃんが、階段を

昇りきって私たちに近寄ってくる

ショートカットを振り乱し、肩を上下させ

ている

傍らを見る。テツ君が私を見ている