テツ君は…泣き虫で、無口で、優柔不断な私

よりも、ミハルちゃんを選んだんだ

情けない監視役と一緒にいるのは、疲れた

んだ

江戸時代のサムライといっても、私と同年

代の男の子だから…

陽気なミハルちゃんを、好きになっちゃっ

たんだ

…そう考えれば、二人の最近のよそよそしい

態度も、納得がいく…

そうだろうな…テツ君は…チビでパッとしな

い私と一緒よりも、長身のミハルちゃんと

の方が見映えもするもの

お似合いのカップルだ

涙も出ない

情けなくて、悲しすぎて、

おかしすぎて…

「姉ちゃん、どないしたんや

顔、真っ青やで?」

虚ろな表情で、私は顔を上げる