「それに…」

それまで目をつむって聞いていたテツ君

が、重い口を開く

「『いんぷっと』の際、嫌なこと、目を背

けたくなるようなことも、見なければなら

ぬ」

…戦争とか、虐殺とか、

その他、人間の心の底のどろどろとした負

の感情…とかも、見なければいけないらしい

なかなか、便利なものには、リスクがつき

もの、と言うことなんだな

…………

「お勉強に専念する」と改心し、張り切る

ミハルちゃんにと私は、研究所を後にする

まだ明るい時間帯だから「タイムマシン(ボ

ロボロカー)で送ってあげる」とのレイコさ

んの申し出を丁重に断り、うっそうとした

山道を降りていく

「ミハルちゃん、一緒にお勉強しよう。

ね?」