私は近くの自動販売機でミネラルウォータ

ーを買い、彼に差し出す

「おっ、これはかたじけない」

彼はそう言って、ミネラルウォーターをイ

ッキ飲みする

海沿いの公園は、やがて夕闇に包まれつつ

ある

………

私たちは、歩いて帰路につく

大ターミナル駅まで歩き、電車で二駅

さらに歩いて、坂道を登って、私の自宅に

到着

家の前で、しばし無言で向き合う

「あの、テツ君?」

「?」

「わ、私、デートなんて初めてだったから…

その…退屈したでしょ?」

「…りおかどの、何を言うか

拙者、大変充実しておったぞ」

「…ほんまに?」