彼はすでに、尺八と同化し、全身を震わせ

ている

あたかも、平家物語を語る、琵琶法師のよ

うに

近寄りがたい、オーラを発している

私は思う。共に感じたい

勇気を出して、彼のオーラの中に侵入する

彼に一歩、近づく。静かに目を閉じる

彼の尺八の音色に身を委ね、シンクロさせ



目を閉じている私の心に、一条の光が差し

込む

光はやがて明るさを増し、私の全身を包み

込む

暖かい。そして力強い

勇気付けられるような

すでに私たちは一体化している

ふと気づくと、私たちの周りに人影が

三人、四人…どんどん増えていく

みんな、昔の服を着ている。鎧甲冑を着

て、刀を差して…血を流して…