「ミハルちゃん、どう思う?」

「うーん」

「ミハルちゃん?」

「う~ん、う~ん…」

やっぱり、だめか…

…そういえば、彼女も彼氏はいない

今まで彼女は剣道一筋で生きてきたから、

剣道が彼氏なのだ

「う~ん、う~ん」「う~ん、う~ん」

電話口のあっちとこっちでうなり続ける私

たち

「そうや…」

「何?ミハルちゃん?」

「史跡巡りツアーはどう?彼はサムライ、サ

ムライといえば歴史、歴史といえば史跡…え

えんちゃう?」

うん、まあ、ちょっとこじつけっぽいけど…

「ミハルちゃん、グッドアイデアやんか!

ありがとう!」

「い、いやあ、それほどでもあるけど

そうや、私らの街の史跡言うたら…」