「うむ。拙者、いずれは元の時代に戻らね

ばならぬが、ここにいる間は、できるだけ

色々見聞きしたいのだ。よいか?」

「ええけど…レイコさんは?」

「案ずるな。姉者はすでに了解済みぞ

それに、そなたは拙者の目附(監視)役であろ

う?」

…そうだった。情けない監視役…

「…ええよ」

テツ君はパッと明るい顔になり「そうか、

それはかたじけない!

では明日8時、神社にて」

「テ、テツ君、ちょう待って。案内って、

どこに行きたいの?」

慌てて尋ねる私に、サムライ君は

「そなたに、任せる」

と言って、帰り支度を始める

階段を降り、お見送りに出てきたお母さん



「御母堂、失礼つかまつる。

拙者これにて」