「ひょっとして、タイムスリップの?」

驚いて聞く私に対し、ミハルちゃんは一気

にまくし立てる

「そうそう、りおちゃんも?

アタシ、石器時代にタイムスリップして

なあ、原人どもに神様にまつりあげられて

なあ、毎日宴会三昧や!

タイムスリップって、たーのしーい!

じゃあな、お二人さん、アディオース!

アッハハハハハー!」

…嵐のように、去っていった

ああ、根っから明るい人は、見る夢もポジ

ティヴで、楽しいものなんだろうか

私はキングオブ悪夢にうなされて、下着ま

でぐっしょり汗まみれになったというのに

…何か、不公平感を感じる

ちょっとふくれていると、隣のテツ君が

「井松どのは、いつも明るいのう」

と、ニコニコ笑いながら、彼女が去ってい

った方向を眺めている