テツ君はどうなのだろう?江戸時代に彼女や

恋人はいたのだろうか

もしいたとしても、こうやって異性と並ん

で歩くことはなかったはずだ

そう、昔は「男女席を同じうせず」って言

われていた位だから…と、確か、ミキちゃん

(歴女)に聞いたことがある

一緒に歩くことを、この人は苦痛に思って

いるのだろうか

恥ずかしく、思っているのだろうか

「…りおかどの」

悶々と妄想している私に、テツ君から話し

かけられる

「え、えっ、何?」

「…昨日は、いろいろと申し訳なかった

そなたが助けてくれねば、拙者、安易に腹

を切ってしまうところだった…」

…そうだ、昨日のこと

この人こそ、抹殺されようとしていた、私

を、命に代えて助けようとしてくれたのだ