メガネがずれる、眼がまわる、舌を噛む

私たちがまだ明るい内におっかなびっく

り、魑魅魍魎に怯えつつ登っていった山道

を、今は絶叫マシンに乗って下っていく

さりげなく、レイコさんの横顔を窺う

薄笑いを浮かべ、時おり舌舐めずりをして

いる

「ああ、ストレス解消はこれに限るわね

うふふふ…」

…やばい、このヒトは、あらゆる意味で、イ

ッチャッテる

やっぱり、マッド・サイエンティスト?

私の隣では、ミハルちゃんが両手を握りし

め、なにやらお祈りをしている

「エロエロオッサンプー、カレーはもっと

もっと盛ったってんかー…」

…それを言うなら、「エロイムエッサイム、

我は求め訴えたり」でしょ

しかもそれ、悪魔召喚の呪文ですけど?

…バウンッ!また大きくバウンド

「キャウッ!」