…あの映画のタイムマシンは近未来的なスポ

ーツカーだったけど、

まさか、このボロボロカーも…?

「さて、行こうかしらね」

レイコさんは独り言のように言葉を発し、

エンジンを始動させる

車は低い、静かなうなり声をあげ、ゆっく

りとスタートする

ああ、一応、大丈夫な車だったんだ、と私

が安堵するのもつかの間、

レイコさんはボロボロカーを加速させた

車一台がやっと通れるだけの狭い山道

しかもデコボコの未舗装路

ボロボロカーは激しくバウンドし、さらに

右へ左へ大きくスイングする

「わああっ!」

「きゃああっ!」

私たちは阿鼻叫喚状態