「それでも、可憐さんへの気持ちに気付いてしまったんだな」

「うん、ただ………どうすれば良いのかわかんないんだ………」

「…………ふっ、」



高梨が小さく笑ったから、また爆笑されると思って睨みつけた

でも、高梨は優しく笑っていて


「そんなの、いっぱい愛せば良いんだよ」

「え?」

「歴代の彼女達が残した言葉なんて忘れるくらいに
可憐さんを、愛して愛して愛しまくれ!
お前にとって、最後の女にすれば良いんだよ!」

「最後の?」

「そうだろ?そしたら別れないだろ?」


高梨の言うことがわかった


結婚


「そんなの、まだ早いよ」

「へぇ………まだ早いだけで可憐さんとの結婚は考えられるんだ?」

「あ、………」

「長い付き合いの中で押さえ込んでた思いがあるだろ?
吉岡が気付いてなかっただけだ
気付いたなら、伝えていけば良いんだよ
気にすることなんてない
お前が重くても、うざくても可憐さんはちゃんと受け止めてくれるよ
だから、お前の気持ちちゃんと伝えろよ
可憐さんが不安に思うような事がないくらい」

「うざいは、言い過ぎ……」


高梨は笑いながら
"可憐さん泣かせたら俺だけじゃなくて俺の奥さんも黙ってないからな"と言った

今までの彼女との付き合いの中で愛情表現なんてしなかった
気持ちが無かったのもあるけど


歴代の彼女達から言われた言葉は俺を恋愛から遠ざけるには十分だったけど




やっと、本当の恋を知った