そんなある日
私が6歳の頃。
香里のケータイ代が12万円になったということで家は騒がしかった

母が香里をリビングに呼んで私と香奈は別の部屋にいた
それでも聞こえる会話

話してるのは母と香里だけ
父は静かに話を聞いてた

「香里、これどういうこと?」
「は?なにが?」
「何がじゃないでしょ、ケータイ代。」
「ああ、高かった?」
「高かった?じゃないでしょうが!
こんな金額どうやって払えってゆうの!?
あんたが払えるの!?」
「むりやけど?」
「悪いけどこんな金額払わないからね!
何をしてこんなに高くなってんの!?」
「電話とか、メールでしょ?」
「おい香里、いい加減にしろよ?
お前が払うんだったらいいんだが払わないで親に払ってもらう立場のお前が何調子に乗ってんだ?」
「は?親?誰が?誠也くんが親?
ふざてるのはそっちでしょ、お前は親じゃないし、育ててくれとも頼んでない!
このババァが勝手に連れて来ていつの間にか知らない男家に連れ込んで子供作ってってしただけだろ!
そんなのだけで親ヅラすんな!
どうせ堕ろすお金がなかったらなおなんかが生まれたんだろ!」

小さな私でも流石にグサッと来た
言葉の意味はわからなかったけど歓迎されて生まれたわけじゃないってゆうのは悟れた。

そっか、そうだったんだ

だからみんな冷たかったんだ
香里とも香奈とも扱いが少し違ってたのはそういう事だったんだ

流石に母も泣いてた
父と香里の喧嘩はどんどんヒートアップしていく

母が泣きながら「香奈!!おばあちゃんに電話して!」って叫んでた

私は確かに傷ついてたけど特に涙を流すわけでもなく、ひねくれもしなかった

少ししておばあちゃんとおじいちゃんが家に来た
2人を一生懸命押さえ込んで仲裁に入ってた

話はおじいちゃんを含めてまた再開された
私と香奈はおばあちゃんと車に連れていかれて車で話が終わるのを待ってた

その間香奈はずっと私に
「なおはいい子だよね、姉ちゃんも本当は優しいんだよ?
でも今はちょっと怒りん坊の日なの
姉ちゃんは本当はなおのこと大好きだし、香奈もなおのこと好きだよ?
だから大丈夫、すぐ終わるよ!」
って話しかけてくれた
元気そうにそう話してくれてたけど
香奈の顔は涙でぐちゃぐちゃだった