私は零の後に着いて、階段を上る。

階段を上って、廊下の一番奥のドアに「ゆう」と書いてあるネームプレートが目に入った。

ドアの前まで来て、零は私に無言で頷く。

ドアをノックして話しかける。

「はじめまして、こんにちは。

零君の友達の遥と言います。

この家に住み込みで働かせてもらいます。よろしくお願いします」

言い終わって数秒待ってみたが、返事はなかった。

零の方を見ると、零は下を指差して居たので、今度は私が頷いた。

静かに階段を下りる。

最後にちらりと部屋を見たが変化はなかった。

まあ、最初だし。

でかかった、ため息を噛み締めた。