「明日はこの空見れないんだよ。明日はまた別の空。明後日もまた別の空。

この空を見れるの、今だけなんだよ」

と空を見ながら何処と無く寂しそうに言った後、「何語ってるんだろう」と恥ずかしそうに頭の後ろを掻いた。

私はもう一度空を見る。

その話を聞いて、急に空が綺麗に見えたかと言われたらそうでもないが、何となくまだ空を見ていたかった。

そう言えば、学校に居る時も空を見ていたな。

確か、飛行機雲が消えずに____。

そう考えて私はハッとした。

「ねぇ、今日、何月何日だっけ」

消えずに残っている飛行機雲を見て、明日は雨だとあの時考えていた。

けど、今は晴れ。雨など降りそうにない晴れ。

「えっと…5月13日だけど」

日付は同じ。

昨日のはたまたまか、そう思った時、カフェのBGMが数年前に流行った曲に変わった。

「この曲…懐かしいね」

私は目を瞑り、足でリズムを刻んだ。

確か、この後の歌詞は…

「え?最近出た新曲だよ?」

その言葉を聞いて私は目を開けた。

零は不思議そうに首を傾ける。

でも、中学校の時の運動会でチアの格好をして踊った。

全然新曲なんかではない。

これを新曲っていうなら私が過去にきたみたい__

私は恐る恐る聞いてみた。

「今年、何年だっけ」

「2013年だよ」

予想が確信に変わった。

私、数年前に戻ってる。