音楽室に着くと直也君は
集中してピアノを弾いていた

私達は教室に入ったとたんに
びっくりしてしまった。

一つ一つの音を紡いで大きな一つの
曲になっているのだから。

環と私はその紡がれている音楽を
静かに聞いていた。

するとこっちにきずいたのか音が突然止まった。

「来てたの?」

「あ、う、うん。ピアノ弾いてたのを
邪魔したら悪いと思って…」

「気にしなくていいのに。」

「…あと聴いてたかったから…。」

「え…?」

「い、いや!何でもない!早く行こうか!」

「赤城君。ピアノ弾けたの?」

「小さいときからやってた。」

「へぇ…赤城君凄いなぁ。」