「菜穂。逃げるよ!」

「え?え?!」

状況が飲み込めていない私を引っ張って直也は楽屋へ走った。

入った瞬間ドアの鍵を閉めて開かなくした。

「ふぅ…やっと逃げきれた。菜穂…?だいじょ…」

顔を覗くと真っ赤に頬を染めて涙が出ていた。

「さすがにやりすぎた…?ごめん。」

菜穂は涙を拭っていった。

「違う…違うの…!ただ…嬉し…くって!」

涙を流しながら言う菜穂は凄く可愛い…

良いよね。

俺は菜穂の涙を拭ってあげて菜穂を抱きしめた。

「凄い緊張した…ふられたらどうしようって思ってた。凄く嬉しかった。」

「うう…ふぇっ…」

「今は誰も来ないから泣いていいよ。それからいつもの笑顔を見せて。」

「うん…うん!」

すると直也は私の手から白い箱を取って中に入っていたネックレスを取り出した。

「つけてあげる。」

ッ…_

やばい…恥ずかしい…

「はい。出来た。やっぱり似合ってる。」

「本当?う…うれしぃ…」

菜穂は笑顔を見せてくれた。やっと…

なんか嬉しくなった。

俺は菜穂に顔を近づけて…少し長めのキスをした。

「大好きだから。これまでも。これからも。」

「私…も…大っ…好きだか…ら!」

私は…

俺は…



菜穂に…

直也に…





「「出会えて良かった。」」





そう言って笑いあった。