「おい…。これからどうすんだ?あいつが言ってたのは本当なのか?」


学級委員の村上 浩輝(むらかみ ひろき)が言った。


「でも嘘っていうには手が込みすぎてない?このガラスケースとか、他の生徒がこないとか。」


同じく学級委員で、村上の彼女の藤木 真紀乃(ふじき まきの)が言った。


「確かに。でも、もし本当だったとして、黒板はなんでこんな粉々になっちゃったんだろ?爆弾とかを仕掛けてないと無理じゃないかな?」


バレエを習っている寺岡 美羽(てらおか みう)が言った。


「爆弾だったら私たちは死なないんじゃない?私たちに爆弾を仕掛けるとかできないじゃん」


寺岡美羽と仲が良い、寺島 沙也加(てらしま さやか)が言った。


「やってみないとわからない。誰が、どうやって殺すのか。現に黒板は粉々。ここはもう今までの日常とは違う」


口元に笑みを浮かべながら、普段みんなの前では滅多に話すことがない、山岸理香子(やまぎし りかこ)が言った。


その嘲るような余裕ぶった様子が池元の逆鱗に触れたようだ。


「はあ?てめぇなに笑ってんだよ。いつも見下したみてぇに俺らを見ながら笑いやがってよぉ!」


池元が山岸の胸ぐらを掴んで怒鳴った。