ハアハア…


香那子は走っていた。


2人にはあんな強がりを言ってしまったが、どこに行っても空いている教室はない。


そろそろ香那子の体力も限界に近付いていた。


すると、後ろから声をかけられた。


「おい!」


「海琉!」


振り返ると、幼なじみの北野 海琉(きたの かいる)がいた。


「香那子!大丈夫か!」


「海琉…私もう駄目かも……」


「…わかった。香那子お前ケータイ持ってるな」


「うん…」


「ならお前はここにいろ!俺が空いてるところを見つけて来てやるから!」


「海琉っ!でもっ…待って…」


香那子はもう動けなくなり、その場に座り込んだ。