『あっ!新しいミルク系出てる!』



すると飲み物を買いにきたのか
稚菜がやってきた。



でも俺に気づくと稚菜は顔を曇らせた。
ライブのときにリボンを結んだときも
少しおびえていた稚菜。



そりゃそうだよなた。
あんだけボコられて疑われたうえに
しまいにはストーカー扱いされて
警察に出されちゃな……。



『あれ?』



俺はコーヒーを飲みながら
稚菜を横目で見ているとオロオロしはじめた。



「どうした?」



『えっ?』



いちいちびくつかなくても
なんもしねぇし。



『真未に預けたカバンに小銭入れも入れてたみたい。』




真未さん達はフロアで
縁さんのピアノを聞いていた。




『取りに行くしかないか。』




金を取りに戻ろうとする
稚菜の後ろ姿に俺はため息をつき
俺は自販機に金を入れた。



「おい!」



そしてキャラメルミルクを買うと
稚菜を呼び止めてジュースを投げた。




『これ。』



「やるよ!それ!」



俺は飲み終えたコーヒ缶を
ゴミ箱に入れて作業に戻ろうとした時




『ありがとう!』



後ろで礼を言う稚菜をシカトしたけど
なんとなく稚菜の美味しそうに
飲む姿が頭にうかんだ。