だけどゆかりちゃんは
なんでか顔を曇らせたままだった。



「ごめん…あたしにはできない。
作曲もやめたの。」


ゆかりちゃんはそう言うと
納車の手続きがあるからと
出かけてしまった。




「ゆかりを誘ったのか?」



すると社長があたし達に声をかけてきた。



『でも断られちゃいました。』



「ちょっと来てくれ。」



社長は会社の敷地内にある
自分の家にあたし達を連れて行った。

ちなみにこゆきは仕事があるから
あとで話すことを約束した。





「広い~!」




ことりちゃんはあまりの広さに驚いていた。





『あれって。』



あたしはリビングにある黒の
グランドピアノとショーケースに
大切に納められてある
たくさんの賞状やトロフィー
そして嬉しいそうにトロフィーを抱える
ゆかりちゃんの写真が目に入った。