~森村歌織~

どうして、あんな事になってしまったのだろうか。
何がいけなかったのだろうか。
~2年前~
私には親友が3人いる。幼なじみの美佐原京歌。中学1年の時、仲良くなった城ヶ原美歌と穂奈美和実。京歌とは腐れ縁みたいな感じで、ちょっとサバサバしている面もある。和実はとてもおっとりしていて、名前にふさわしく、皆を和ませてくれる存在で、美歌と幼なじみだ。美歌は、城ヶ原グループのご令嬢。とても華麗で、優しい。だからみんなの人気者であった。
美歌と和実と仲良くなったのは、4人とも歌うことが好きだからである。
その事もあって、4人で、この『流星音楽女学園』に入学したのだ。
運良く、4人とも同じBクラスになれた。予想どうり、美歌は、一週間もたたないうちに学園の有名人となった。そこまでは良かったのだが、美歌はご令嬢でもあったため、取り巻きがついてしまった。最初は美歌もそうゆうのは遠慮していたが、先輩までもが美歌を可愛がり、次第に、美歌の性格は代わり始めた。誰にでも優しかった美歌が、気にくわない人を召し使いのように扱い、邪悪な女王のような人になってしまった。
ついたあだ名は『学園の女王』。皆が皆、美歌の顔色を伺って、逆らう人はいなくなった。
しかし、美歌はいつも通りに私達と接してくれて、その取り巻きの子達とも、仲良くなった。だが、もう前のような優しい美歌はいなかった。
『ねぇ、美歌、もうちょっと皆に優しくしたら?』
命令に従う子達を見て、耐えられなくなったのか、とうとう和実は言ってしまった。すると、美歌の口から、驚く言葉が出てきた。
『そうね。「音楽コンテスト」が近かったから、ピリピリしてたわ。ごめんなさいね。』
どうゆう風の吹き回しか分からないけど、美歌はすんなり謝った。私も京歌も和実も驚いた。私達だけでなく、クラスメートも当然驚いていた。
私達は、どうして美歌が、あのときすんなり謝ったのかを聞けずにいた。私達は前のような美歌にはなってほしくなかったので、理由は聞かないでおこうと決めた。だから私達は、「音楽コンテスト」が近かったから美歌があのような性格になっていたのだと思うことにした。